認知症の人と家族の会島根県支部2019年1月25日発行の会報より②

「小規模多機能居宅介護事業所」は島根が先駆

 

 前回➀の続きです。

 

 家族の会の会合で知り合った在宅介護家族の話は、特養で勤務していた私達にとって衝撃でした。「せめて月に1回でも風呂に入れてやりたい」「一晩だけでもぐっすりと大の字になって寝たい」「たまには家族や友人とレストランに行ってみたい」「日中、母を柱に縛って仕事に出ている。本当に申し訳なくて…」「働き続けたいが介護のために離職せざるを得ない」…‥。

 

 発足時の特養職員は30代前半になっていましたが「何とか在宅で苦労されている家族を助けられないか」「困られた時、休みたい時、いつでも安心して利用できる場所が必要ではないか」「人間として尊重されるケアを求めるべきだ」「そのためにも町中にある小規模で多様な利用スタイルが可能な施設が必要ではないか」等々の話し合いの中で「目の前に困難に直面している人々を、制度に関わらず助けるのが社会福祉の目的ではないか」との思いで生まれたのが、全国でも一番最初と言われる「地域密着小規模多機能ホーム」と銘打った施設でした。1987年4月に出雲市の中心部に小さな施設が出来ました。寄付金、物品寄付が300名以上から寄せられ他は全て借金で建設されました。

その後、全国的な動きもあり1992年に認知症デイサービス、1997年に認知症グループホーム、2006年に小規模多機能居宅介護事業が国の制度となりました。この家族の会があったからこそ島根から生まれ、国の制度にもなったと思います。

 

 

 

終わりに

 

 

  国民全体が県民全体が幸せに暮らせる事を真剣に考え、訴え、実践し、さまざまな改善と改革を訴え、実現してきている本部の活動と連動して島根支部が益々発展していくことを心から祈念申し上げます。