介護人材確保・定着についての意見

 先般、島根県、出雲市より介護人材確保、定着に関する意見、提案を求められ、ことぶき福祉会の見解として以下のように意見を提出いたしました。

 是非、皆様のご批判、ご意見をいただけると幸いです。

 

 

➀ 介護人材確保のためには、イメージアップよりも、給料の確保が最優先されるべ   き

 

 介護職で働き続けても、人生設計できる年収が得られないならば、将来へのビジョ

が持てず、介護職が職業選択の選択肢から除外されてしまう。

 公的保険制度のもとで働く人には、公的に給料を補償するような制度が必要であり、それは営利を目的とする法人等においても適用されるべきである。税金や公的保険料から給料を得て働く意味においては、公務員、医療従事者、福祉職ともに同等な処遇が当然と思う。

 

② 介護施設を運営・経営する立場の人は、福祉について明確な方針をもってほしい

 

 介護施設の経営は、社会福祉法人やNPO団体に限らず、株式会社等も幅広く行っ

ている。介護職への処遇に対して権限をもつ人が、社会福祉を正しく理解し、介護人

材を相応に評価するべきではないだろうか。もちろん、介護職自身も相応の研修は必

須である。

 

③ 保険者である自治体は介護報酬における人件費の内訳に責任を持ってほしい

 

 処遇改善加算が創設されたものの、この実績報告は一人一人の職員の実際の処遇改

善をみるものになっていない。事務作業は必要なものの、せっかくの改善金が人材確

保のために使われているのか、一部に偏りはないのか、保険者が監視すべきではない

だろうか。

 

④ 介護現場での失望感をなくす

 

 介護や福祉への志をもって入職した人が、賃金や労働条件の低さだけでなく、実際

介護現場に失望している現実を看過してはいないだろうか。人権を尊重し、高齢者

を敬愛する介護現場であるべきなのに、忙しいことを理由に流れ作業のような日々で

あったり、行動を制限したりなどの介護の質の低さに対しては、保険者が評価をして

いないのではないか。書類の整備は、より高い質の介護や、良き人材の確保・定着の

ためのものであり、介護の質に対して実地指導や監査が行われるべきと考える。介助

に終始する介護現場のあり方にも目を向けていくことが、介護のイメージアップ・や

る気のある人材の定着につながるのではないか。

 

                      (文責 事務長)

 

 

 介護職員の人材不足については職員待遇、とりわけ低賃金に原因があるのではないかと考えます。年収にして公務員と比べて約350万円、一般産業労働者と比べても約100万円の差があることが現状です。そのことから処遇改善加算を介護報酬の増額に充てるなどして介護職員の賃金増をするべきだと思います。そもそも介護職員とはそんなにイメージが悪く、イメージアップや処遇を改善しないといけない職種なのかと疑問を抱いています。日々、高齢者の健康と生活を支える責任ある立場として誇りある仕事であるべき介護職員はまさに公務労働としての役割りを担っている思います。また、営利目的の事務所や法人も多くあるようで介護報酬を増額したとしても職員への還元が適正かつ明確に行われているかきちんとした形で、公表や抜き打ち監査などの仕組みを作る必要もあると思います。

 介護を必要として困っている高齢者は多く、国は福祉に対して本当に責任をもって保障し支えていくべきではないでしょうか。

                     (文責 笑庵ことぶき施設長)